東京電力、肝いりの「社内起業制度」で2020年度までに20件の事業化を目指す!

意外にも歴史が深い東電の「社内起業制度」。平成9年から新会社設立の実績も

東京電力ホールディングスが、新規事業創出の旗印を掲げ、社内スタートアップ制度を発足。既に募集は2018年1月15日に締め切られ、およそ110件の応募があったそうです。

しかし調べてみると、東電の「社内起業」に関する試みは結構以前までさかのぼります。
平成9年には、関係会社を含めた「東電グループ」として、社員のチャレンジ意欲を喚起し、能力・
活力の一層の発揮を促すことを主な目的に「ベンチャー起業人公募制度」と称するベンチャー事業の社内公募制度を発足。平成9年3月から新事業の企画・アイデアの募集を行ってきました。このとき新会社として発足した株式会社アルファプライム・ジャパンは、環境・省エネルギー技術に関するコンサルティング業務を目的として設立されましたが、当初のビジネスモデルがうまく軌道に乗らず、また事業の多角化を進めるものの経営状況の改善に至らなかったことから、残念ながら平成18年11月16日をもって解散となっています。

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その後、平成14年に同規格より新会社として誕生したセリングビジョン株式会社は現在も活動。事業内容はIT関連企業(売り手)と、ITに関するさまざまなニーズを持ちながらも自社の 経営に資する商品やサービスの存在を知る機会の少ない法人顧客(買い手)とを結ぶ「良き仲介者(メディエーター)」として、先端IT商品・ サービスの発掘とその販売代行を行ってきました。

新規事業立ち上げを急速する背景に、福島原発事故の賠償費用が。社内効率化と収益化を急ぐ

今回ニュースとなった社内起業制度での目指す目標は大きく、「2020年度までに20件」の事業化とうたっています。今後のステップは、日本経済新聞によると書類審査と面接で10件程度に絞り込み、応募社員が事業計画を18年5月中旬に経営陣に説明。経営陣が事業化を判断すれば、会社が新規事業に対し必要な人員を手当てし、投資するという過程となります。

同社ではこれに先がけて17年11月から社員に起業のケーススタディーと事業計画の立案方法を学ぶ社内研修を開始しているとされ、20年度末までに約400人の受講を目標と定めています。

この取り組みの昨今における要因は、東電は福島第1原子力発電所の廃炉・賠償費用22兆円のうち16兆円を捻出することを求められており、新規事業の立ち上げが急務となっています。効率化を図りつつ、新規事業を担当する人員を社内から集め、効率化により浮いた人員を新規事業へ充当していく考えです。「新たな収益源の獲得」と「組織効率化」を同時進行で実現する本施策、今後のアウトプットにも注目です。