資生堂、「リバースメンター制度」導入で若手が上司のデジタル感度底上げを狙う!

メンターが逆になる!若手社員が上司のメンターになることで期待される効果とは

2014年以降、マーケティング改革を加速しすべての社員に各自の業務上におけるマーケティング発想を求めるべく推進している株式会社資生堂。企業内アカデミーを設立し、マーケティングの専門家を育成するなどその施策からうかがわれる本気度は既に知られるところです。

先日、日本経済新聞が報じた同社が導入する 「リバースメンター制度」 も、どうもデジタルやマーケティングに軸足を置いた社内改革の一貫のようです。「リバースメンター制度」 とは、読んで字のごとく 「逆・メンター制度」 のこと。上司や先輩が相談役 (メンター) となって若手や部下の指導や育成をするのに対し、部下が上司に助言を与えていく逆方向の仕組みです。主にはマネジメント職のスキルアップの手段でもあり、若手社員の気持ちを理解して適切なマネジメントを遂行するスキルを身に着けるのに貢献する制度です。

画像出典:Financial Times photos
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資生堂が発表した 「リバースメンター制度」 では、IT関連の知識を若手がベテラン社員に教えることで、社内でのデジタル機器の活用や商品マーケティングへの応用につなげたい意図があります。しかもその対象は社長から執行役員までの役職者約20人というのですから、若手にとってもコミュニケーションスキルの体得にもつながるはず。対象者の各人へ20~30代の若手のメンターが付くことになります。

 

ダイバーシティ概念の強い外資系で進んだ制度、純国産企業が導入する波及効果は?

「リバースメンター制度」 は米GEのジャック・ウエルチが元祖とされ、IT技術や社会の変化などを管理職クラスが若手社員に教わり管理職の成長に貢献したと言います。本制度を導入する企業は外資系企業に多く、グローバル時代である現在は多様性の時代ともいえ、偏りのない柔軟な思考と姿勢を併せ持ち組織をマネジメントしていくことが管理職には不可欠となっています。そのため人事制度にダイバーシティの概念を取り入れ歴史を持つ海外企業では、管理職育成の企業風土のなかにリバースメンター制度を採用できる土壌があると言えます。

昨年 「デジキャリ」 でもご紹介しましたが、資生堂ではリーダー育成研修やMBA取得を目指す環境を整備するなど組織改革に注力してきました。そうしたスキルアップ、キャリアパスにもマーケッター感覚とデジタルへの親和性が問われる企業風土となっています。

現在、政府肝煎りの 「働き方改革」 が進み、さまざまな施策がニュースに登場するようになっています。テレワークをはじめとする全社員対応の在宅勤務制度や短時間勤務などに加え、ダイバーシティに配慮した制度導入も増えてきました。少子高齢化も重要な課題であり、産休や育休はもちろん産後の職場復帰など子育てと仕事の両立を支援する体制も企業には欠かせません。こうした際にもリバースメンター制度を採用すると、上司は仕事と家事の両立、育児の悩みなどを理解しやすくなります。

資生堂のような非外資系企業が本制度を導入したことは、女性が活躍する企業にとってもデジタル化を推し進める企業にとっても大いに参考となるはずです。成果のアウトプットにも期待しましょう。