金融庁、仮想通貨を「貨幣」と認定。フィンテックの進化で日本の金融システムに風穴が開く?

金融庁が仮想通貨を「貨幣」と認定!

2015年2月24日、金融庁がビットコインなどに代表される仮想通貨を「貨幣の機能」を持つと認定する、仮想通貨の規制案を示しました。国や中央銀行が管理している通貨ではなく、オンラインのネットワーク上にデータとして存在し、貨幣代わりに利用されてきた仮想通貨。これまで「モノ」とみなされてきたこの仮想通貨が、実質的に貨幣として扱われるようになることで、物品購入などに使用できる「交換の媒体」の機能と、「不特定を相手にした購入や売買を通じ法定通貨と交換できる」機能を認められることとなります。

ビットコイン「貨幣」認定 金融庁、法改正急ぐ (2016/2/25)
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO97663940V20C16A2EE8001/

 金融庁は24日、自民党の財務金融部会と金融調査会にインターネット上の決済取引などで急速に市場が広がる仮想通貨の規制案を示した。取引所を登録制にし、外部監査の導入を義務付ける。仮想通貨を「貨幣の機能」を持つと初めて認定することで利用者保護の強化を急ぐ狙いだ。

 同党合同部会で規制案を了承した。金融庁は今国会にプリペイドカードなどを対象とする資金決済法の改正案を提出し成立を目指す。日本は仮想通貨を単なる「モノ」とみなしてきたが、政府が金融決済や法定通貨との交換に利用可能だと認める形だ。

仮想通貨を「貨幣」認定 金融庁、法改正で決済手段に  (2016/2/24)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC23H0N_T20C16A2MM8000/

 金融庁が国内で初めて導入する仮想通貨の法規制案が23日わかった。今までは仮想通貨を単なる「モノ」と見なしたが、法改正で「貨幣の機能」を持つと認定することで、決済手段や法定通貨との交換に使えると正式に位置づける。仮想通貨の取引所は登録制とし、金融庁が監督官庁になって、仮想通貨の取引や技術の発展に目を光らせる。
今通常国会に資金決済法の改正案を提出し、成立を目指す。

仮想通貨の定義として2点明記した。1つは物品購入などに使用できる「交換の媒体」の機能。もう1つが不特定を相手にした購入や売買を通じ法定通貨と交換できること。いずれも貨幣の機能の一部で、金融庁は仮想通貨がIT(情報技術)と金融を融合した「フィンテック」の発展につながる可能性を見すえる。

仮想通貨は「財産的価値」=2年越しで初定義―政府  (2016/2/24)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201602/2016022400040&g=eco

 
 

ビットコインに代表される仮想通貨。そのメリットは?

画像出典:https://bitcoin.org/ja/
画像出典:https://bitcoin.org/ja/

ここで、仮想通貨とは何か、再度確認しておきましょう。国や中央銀行が管理している円やドルなどの従来の通貨と違い、仮想通貨はネットワーク上にデータとして存在しているものです。
実際の紙幣や硬貨が発行されているわけではないので、諸経費や手数料がほとんど発生しません。またオンラインで手続きできるため、銀行などのように営業時間に縛られることなく、送金の時間もかからないなどのメリットがあります。
この仮想通貨の利用により、海外送金の際の手数料が大幅に安くなったり、スマートフォンに取り込んだ仮想通貨を外貨で取り出せるようにするなど、海外との取引や両替サービスの利便性の向上などが期待されています。
この仮想通貨、現在では投機目的で利用しているユーザーも多いようです。

仮想通貨には、最も有名なビットコイン(Bitcoin)のほか、リップル(Ripple)ライトコイン(Litecoin)ドッグコイン(Dogecoin)モナーコイン(Monacoin)などがあります。
2013年5月にはGoogleがリップルに140万ドル出資しており、これからの発展も期待されます。

ビットコインなどの仮想通貨には、PtoP(Peer to Peer)のネットワーク全体で記録を低コストで分散管理していくブロックチェーンという技術が使われています。ブロックチェーンの導入により、データの集中管理に必要だった従来の大型コンピュータが不要となり、ネットワークの参加者(ブロック)がそれぞれチェーン状につながり、ブロック同士が監視しあうことで、データの正確性を検証していきます。

 
 

「フィンテック」の波がもたらす金融サービスの革新! さらなるイノベーションに期待

この仮想通貨の貨幣認定の背景には、フィンテックの発展という避けられない現象があります。金融の「Finance」とテクノロジーの「Technology」を組み合わせた造語であるフィンテックは、最新のIT技術を生かした新しい金融、決済、財務サービスを意味します。
以前にデジキャリでもご紹介したID決済モバイルペイメントは、そのフィンテックの代表的なものとなります。こういった、IT技術(スマートフォンアプリ、ビッグデータ、AIなども含む)が決済、海外送金、資産管理、投資などの金融サービスに起こしたイノベーションを、フィンテックと呼んでいるのです。

このフィンテックの大きな柱として注目されるのが「仮想通貨」であり「ブロックチェーン」です。2月1日には、日本の三菱東京UFJ銀行が独自の仮想通貨を開発していることが明らかになりました。

三菱UFJ銀、独自の仮想通貨を開発中 コスト減へ期待 (2016/2/1)
http://www.asahi.com/articles/ASJ1W4RWKJ1WULFA012.html

三菱東京UFJ銀行が、独自の仮想通貨の開発を進めていることが分かった。ITを活用した新しい金融サービス「フィンテック」の一つで、実用化されれば、金融取引などの管理にかかる費用を大幅に節約し、国際送金や振り込みの手数料を安くできるという。当面「行内通貨」と位置づけるが、円と交換できるようにして同行の利用客らに発行する構想もある。

2014年の世界でのフィンテック向け投資額は、約1兆4千億円とも言われています。今やこの波を止めることは誰にもできず、日本の金融業界も変革を迫られています。銀行による仮想通貨の発行とは、まさにその代表的な例と言えるでしょう。

フィンテックの発展は、人々の生活をさらに豊かに、さらに便利にするための様々なイノベーションをもたらしています。この波を的確に捉え、ビジネスに生かしていく眼をもつことが、これからのビジネスの発展には必要不可欠です。