西日本シティ銀行、フィンテックの活用で地銀ならではの課題に対応

スマホでバーコードを読み取って税金を簡単支払い。西日本シティ銀行が新サービスを開始

2月17日、福岡県福岡市に本店を置く地方銀行、西日本シティ銀行は同社が提供するスマートフォンアプリ 「西日本シティ銀行アプリ」 内でを税金などの支払いができるサービス 「NCBアプリペイ」 を2月22日始めると発表しました。

 
「西日本シティ銀行アプリ」税公金お支払いサービス「NCBアプリペイ」の取扱開始について~ 全国初、銀行アプリで税公金カンタンお支払い ~ (2016/2/17)
http://www.ncbank.co.jp/nr/images/2015/160217-3.pdf
 

西日本シティ銀行(頭取 谷川 浩道)は、「西日本シティ銀行アプリ」でカンタンに税公金のお支払いができる新サービス「NCBアプリペイ」を平成28年2月22日より取扱開始しますので、お知らせします。
中略
本サービスにより、銀行やコンビニエンスストアの窓口に行かなくても、“いつでも、どこでも、簡単・便利に”税公金のお支払いが可能となりますので、地方自治体さまの地域住民サービスの向上も期待されます。

全国の金融機関で初めての試みとなる、スマホアプリで税金などの支払いができるこのサービスは、NTTデータとの協業でスタート。これにより、納付書のバーコードをスマホのカメラで読み取ることで、銀行窓口やコンビニエンスストアなどに行く必要なく、軽自動車税や国民健康保険料をその場で納付できるようになります。事前に 「西日本シティ銀行アプリ」 に支払い口座を登録する必要はあるものの、インターネットバンキングの契約は不要。西日本シティ銀行のキャッシュカードを持っていれば、誰でも利用することができます。
現在、対象となっているのは、福岡市を含む全国の58自治体で、取り扱い自治体は順次増やす予定とのことです。

2015年3月から提供が開始された 「西日本シティ銀行アプリ」 のダウンロード数は、現在12万件。地銀のアプリとしては、最大のダウンロード数になります。
 
西日本シティ銀行アプリ  NCBアプリペイ

画像出典:西日本シティ銀行アプリ

 
 

フィンテック導入に前向き姿勢の地方銀行、スマホやネットでのサービス拡充中

地方銀行とは、その名の通り、それぞれの地方に本店を構える地域に根ざした銀行です。その地域にある中小企業に積極的に融資を行う地域密着型の銀行で、地元密着型で地域の人々のニーズに即したサービスを提供しているのです。その地域においてはATMの設置台数もメガバンクより多く、その地域に住む人にとっては身近な存在と言えます。

そのため、地銀では地域に住む顧客の要望に根ざしたサービスが多く展開されています。西日本シティ銀行では 「NCBナイスコール」 という電話から預金の残高照会ができるサービスや、 「オールインワンカード」 というクレジットカード機能とローンカード機能がつき、さらにオプションで電子マネー 「SUGOCA」 や 「minoca」 の機能を付加することができる多機能なキャッシュカードを提供するなど、顧客目線でのサービス向上を図っているのです。コンビニエンスストアや銀行窓口に行かずとも税金の支払いができたり、時間に関係なく自分のタイミングで“いつでも、どこでも、簡単・便利に”利用できるサービスというのは、まさに顧客のニーズから生まれたものでしょう。

他にも、横浜銀行山陰合同銀行も2015年12月にSBIインベストメント株式会社が設立した 「FinTechファンド」 (FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合) に出資するなど、各地銀が新たな取り組みを模索している様がうかがえます。
 
横浜銀行:「FinTech ファンド」への出資について (2015/12/12)
http://www.boy.co.jp/news/release/__icsFiles/afieldfile/2015/12/21/NewsReleases_271222.pdf

山陰合同銀行:「FinTech ファンド」への出資について (2015/12/12)
http://www.gogin.co.jp/about/press2015/topi15-075.pdf

 
 

再び始まった地銀統廃合の変革期において、デジタルサービスの導入はどう寄与するのか?

地方銀行がこうした取り組みに積極的な背景には、高齢化が進む地方ならではの課題も影響しています。若い層が大都市に流出し、高齢者層が多く住む地方では、給与振込口座を持つ若い世代の顧客の取り込みが重要になります。地方銀行では、若い層の顧客が利用しやすいサービスを設計すると共に、ITやネットに苦手意識を持つ高齢者層でも利用できる、簡単なサービスを設計していくことが重要となるのです。

日経新聞によると鳥取銀行では、若い世代への聞き取り結果を参考に、アプリの機能を残高の確認などに絞ったそう。また、顧客や取引先、地域の要望を聞き、実際の利用者が使いやすい機能を取り入れ、地域の小売店などと組んだ販促に使えないか探っているということです。

また、地方では、交通インフラが弱く、都会のようにいつでもどこでもATMにアクセスできるという環境にはない場合もあります。ATMや銀行の窓口へ行くのも大変な顧客にとって、いつでもどこでも、スマホひとつで操作ができるスマホアプリなどで利便性を高めれば、その金融機関への帰属意識も高くなるうえ新規顧客の獲得にも貢献します。税金の支払いがスマホひとつでできる西日本シティ銀行の 「NCBアプリペイ」 などは、まさにその消費者ニーズを満たすものと言えるでしょう。