今期通販売上目標70億超、絶好調の集英社「メディア企業のEC戦略」とは

画像出典:「FLAG SHOP」ウェブサイト

出版社、とりわけ雑誌メディアはコンテンツビジネスと強いターゲティング メディアとしての事業モデルを築いてきました。しかし 2000 年以降、 Web サイトの隆盛や電子書籍など、新たなメディアの登場により、出版業界をめぐる状況に変化が訪れます。「雑誌不況」と呼ばれる、読者の深刻な雑誌離れによる課題が表出。ネットと敵対するのではなく、より読者のメリットを提供できる形でのビジネスモデル創出が急がれました。各社の模索が続くなか、 EC 事業で圧倒的な成果を挙げたのが、多数の人気雑誌を擁する集英社でした。

2007 年からスタートした集英社の EC 事業は順調な伸びを見せており、 2016 年 5 月期の通販売上高は、前年比 22% 増の 55 億円。今期は 70 億円強を目標としています。

現在では 70 万人強の会員を抱える集英社公式ファッション通販サイト 『FLAG SHOP』 では各雑誌の掲載商品を販売するだけでなく、オリジナル商品の開発、販売も実施。雑誌編集部も積極的に参加したこれらの商品からは、数多くのヒット商品が生まれています。

今回、その集英社の EC 事業を手がけるブランド事業部 ダイレクトマーケティング室・室長の川島 園子氏に、その経緯と今後の戦略についておうかがいしました。

2007 年に新雑誌と連動した EC サイトを立ち上げ。読者、コンテンツ制作力という武器を B to C ビジネスに活用

2007 年、 50 代向けの新雑誌 『エクラ』 創刊にあたり、シニア世代向けの通販を新雑誌の基軸に置く目的で EC サイトを立ち上げました。出版不況という状況にあって、 EC 分野は今後の成長が見込まれる分野であることは明らかでしたので、シニアターゲットを皮切りとして以降、各雑誌のショップに着手していきました。

出版社というのは、 B to C の事業のように見えますが、最終消費者との接点はほとんどない業態です。そうした状況下にあって、EC 事業という B to C ビジネスに着手したことで、これまでの B to B ビジネスでは決して持ち得なかった顧客データを独自に持つことができるようになりました。それらのデータをサイト、雑誌それぞれに活用するべく、取り組んでいます。

他社と異なり、弊社 EC 事業におけるもっとも大きな優位性は、既に読者という顧客を持っていること、そしてその顧客のニーズを捉えるコンテンツ制作力を持っていることです。
雑誌は、読者という最大の武器を持っています。編集者は常に読者のニーズを捉えて研究しているため、誌面と連動した EC サイトを作ることで、より読者 ( = 顧客) のニーズに合ったコンテンツを提供でき、それを購買につなげることができます。

画像出典:「FLAG SHOP」ウェブサイト
画像出典:「FLAG SHOP」ウェブサイト

ファッション誌同等の高いクオリティで制作することで、購入頻度に深く影響を及ぼす。ブランドとの信頼関係に寄与する好循環の仕組み

弊社の EC サイトにおけるクオリティは、ファッション誌に求められる水準と同様の非常に高いレベルです。たとえば、雑誌掲載の写真はクオリティが高く他社の EC サイトと比べても明らかに高いと言えます。そのクオリティの高さゆえに、商品を提供していただいている各ブランドからも、高い信頼を寄せられているのです。
また、雑誌に掲載した商品は Web のみで展開している商品に比べて、圧倒的に奥行きの深い売れ方を見せます。そうしたエビデンスがあるため、雑誌の誌面と連動させることにより、各ブランドから追加納品などのご協力をいただくことができます。

ただブランドの商品を掲載するのみでなく、各雑誌とブランドのコラボ商品などを別注で制作しています。例えば、雑誌 『BAILA』 の 5 月号では 『バイラ御用達ブランド× BAILA コラボ祭り』 という特集を企画しました。この特集では、 『BAILA』 と深いつながりのあるブランドとコラボレーションして、 FLAG SHOP でしか買えない商品を別注で用意し、誌面でも紹介しています。雑誌・ EC サイト、ブランドでともに新商品を企画し、展開していくことで、お互いに売上を伸ばし、送客し合えるなど、相乗効果を生んでいます。

一方で、雑誌の通販ページを流用して通販カタログ 『FLAG SHOP MAGAZINE』 を春・秋と年に 2 回発行しています。 FLAG SHOP 会員のなかで購買意欲の高い上位 10 万人の優良顧客へ配布することで更なる売上アップを図っています。そうした一つのチャネルで得たデータを他チャネルと組み合わせてさらに効果を上げるなどといった、 EC 、通販誌、雑誌のシームレスな連携を図っています。

通販事業の機動力を高めるための 100% 子会社 「Project8」 を新設

そうした好調に推移し、収益の一つの柱と呼ぶに足る成長を見せているEC事業ですが、一層強化するべく 6 月 1 日付で 100% 子会社の 「Project8」 を新設しました。この 「Project8」 は、ネット業界のスピードに対応し、機動力を高めていくための専門家集団です。この 「Project8」 が運営しているのは、集英社公式ファッション通販サイト 『FLAG SHOP』 と、雑誌の情報サイトという立ち位置であると同時に、独自のコンテンツを持ったキュレーションサイトの役割も担う 『HAPPY PLUS』 というサイトです。

この 「Project8」 には EC 事業の成長を担うとともに、さらに集英社のコンテンツ資産を活用した新規事業開発などが求められています。旧来の出版社の事業モデルから脱却し、集英社のデジタル事業を新たなフェーズに推し進めるため、積極的な人材登用を進めているところです。

「Project8」 採用ページ:http://www.project8.co.jp/#recruit

画像出典:「Project8」ウェブサイト
画像出典:「Project8」ウェブサイト

 

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