【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太③

金生 良太

ファイザー(株)

エスタブリッシュ医薬品事業部門/GEPコア・ブランドマーケティング統括部/COE 統合マーケティンググループ 部長

2016.07.01


【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太③

 

 

 

Fail fast! クレイジーな失敗は大歓迎。失敗を糧に成長できるルーキーズマインドを持って欲しい

 

今、私たちの生きる世界ではさまざまな分野で劇的な変化が起こっています。製薬業界で言うと、これまでブロックバスター モデルで画一的にマスプロモーションを主体としてやってきたモデルが通用しなくなってきました。また、それぞれの MR の活動内容やあり方についても、これまでどおりで良いというわけにはいかなくなってきました。

 

こういう時代だからこそ、ファイザー(株)においても私たちの部署で求める人物像は、 “失敗力” を持った人財です。なぜなら、失敗とはそもそも何かに挑戦した証であり、一つの結果にすぎません。ということは、失敗した数だけ幾とおりものチャレンジをしたということです。そしてその幾度かのチャレンジの果てに成功があるわけで、失敗と成功は背中合わせです。まず失敗を恐れずにチャレンジできる資質が極めて大事。「失敗しそうなことはやらない」というのは、チャレンジしていないということで、できることしかやっていないということ。そこに成長はありませんし、うちの部署で活躍することは難しいでしょう。

 

新しい発想や現状を打開するような新しい試みによるクレイジーな失敗は、その失敗の結果が次のチャレンジへの学びにつながるので、自身の糧になるものです。 PDCA で改善していけばいいのですから。

 

ただ、怠慢や思考不足による失敗はただの愚かな失敗と言えます。そういう、ストゥーピッドな失敗は何を生み出すわけでもなく、なんの糧にもなりません。そのような失敗は避けたいものです (笑) 。

 

大切なのは、ルーキーズマインドです。若くても挑戦心がない慎重でコンサバな人材もいますし、ベテランであっても挑戦意欲の豊富なマインドセットを持った人もいます。年次や年齢は関係なく、ある意味非常に公平な環境で正しく評価される部署です。

 

グローバル企業である弊社では、各国の方と共に仕事をします。良くも悪くも日本人は真面目だな、と感じることがよくあります。新しいことに対しては保守的で決定が遅れたりしがちですが、反面、決定されたことを地道に実行していく能力に長けています。海外の人は型破りなことをパーンとやってしまうのですが、運用や実装がなかなか伴わない場合があります。どちらがいいかというのは、一概には言えない部分であり、それがむしろグローバル企業で働く醍醐味と言えます。

 

 

枠を設定せず、根本から考えろ!あるべきゴールを実現するため、先入観を持たずにファクトを探り思考を深める

 

私はマーケティング部門で外国人の上司と働くことが多かったのですが、そこで徹底的に鍛えられてきました。言われたのは、 “先入観にとらわれず、根本から考える” ということです。その頃は、戦略を考える時でも、知らず知らずのうちに枠を設定して “実行できること” の中から考えることがありました。しかし、インド人の上司に 「戦略を考える立場の人間がフィージビリティから考えるのは最低のアプローチ、実行可能性よりもまず何が本質的に重要かを起点に考えろ」 と何度も注意され、本質的な部分で課題を解決していくための方策を考えるようになりました。このことは、その後の自分の仕事に対する基本的な軸となったと思います。

 

MR から始まって、業務改善やマーケティングなど、多彩な業務経験からキャリアを構築してきました。視点をどこに置くかによって得られる答えが変わるということを知り、事象のとらえ方や重要性を経験の中で学ぶことができました。また、ビジネススクールのゼミでも鍛えられました。「理屈ではなくファクトで考えろ、ファクトは現場にある、迷ったら現場に行け」という教えは非常に印象に残っています。要するに、事象一つを取り上げて机上で分析しても、その事象が起きた背景、関わった人、モノ、コト、結果に結びつく要因は常に変動しています。だからこそ、正確に判断をするためにも、起きた現場を第一にすることで、先入観による誤った判断を避けることができるのです。当社では、仕事環境がすでにそうした日々の刺激と答えに満ちており、自分の感度次第で業務へ生かしていくことが適うのです。

 

 

取材を終えて 編集長:箱石克好

 

今回の連載では、世界的企業の一つ、ファイザーさんを取り上げましたがいかがでしたでしょうか。先入観を打ち破られる、パワーのある言葉の数々は、金生さん自身の経験から磨き抜かれた論説であり、うかがっていて非常に刺激を受けました。たとえば、母体の大きな組織ですと必ずといって言いほど耳にする、 「デジタルマーケティング導入におけるボトルネックは組織構造」 という説においても金生さんはぴしゃりと一蹴します。これは、常に現場を見ている人でないと言えないことだと痛感しました。現場は日々、生きていて目に見えない変革が起きています。そこに対する敬意にも解釈でき、タフな環境でタフにサバイブしてきた自らの内から沸き出してくる 「金言」 に、金生さんのプロフェッショナルとしての姿を見ました。

 

 

【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太①

【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太②

【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太③

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