【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太①

金生 良太

ファイザー(株)

エスタブリッシュ医薬品事業部門/GEP コア・ブランドマーケティング統括部/COE 統合マーケティンググループ 部長

2016.06.23


【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太①

 

 

医薬品の世界的リーディングカンパニー、ファイザー。日本法人にも60年以上の歴史あり

 

1849 年にアメリカで創業され、現在では世界 150 以上の国と地域でグローバルに事業を展開をしているファイザー。ヘルスケア分野のリーディングカンパニーであり、 1953 年の進出以来、日本でも 60 年以上に渡って医薬品を始めとする多くの事業を展開しています。

 

このファイザーの日本法人、ファイザー(株)のエスタブリッシュ医薬品事業部門で COE 統合マーケティンググループ部長として、新しいコミュニケーション、新しいマーケティングに取り組んでいるのが金生 良太 (かのう りょうた) 氏です。グローバル企業の日本法人の中で、統合マーケティングの中央組織 “ Center of Excellence ” のリーダーとして活躍する金生氏にインタビューを行いました。

 

 

日本法人独自の統合マーケティングの中央組織。事業部門を横串で横断し、チェンジマネジメントを実行

 

ファイザー株式会社 金生 良太氏

  ファイザー(株) 金生 良太氏

 

ファイザー(株)のエスタブリッシュ医薬品事業部門では、主に特許が切れた後も大切に長く使われているエスタブリッシュ医薬品を扱っています。この部門のマーケティングを担当する GEP コア・ブランドマーケティング統括部では、主要製品のデジタルを含むマーケティング全体を管轄しています。

 

その中で、 2015 年 9 月に “ COE 統合マーケティンググループ” という組織を立ち上げました。COE とは “ Center of Excellence ” の略で、ファイザーのエスタブリッシュ医薬品事業部門が新しく生まれ変わるため、ブランドや製品を横断した形で新しいコミュニケーション、新しいマーケティングの仕組みを作る中央組織になります。ここではエスタブリッシュ医薬品事業部門を横串で横断してその仕組みをつくるため、人、組織などの全体を含めたチェンジマネジメントを行っています。実際の改革に関しては実質的にシニアリーダーの力に依るところが大きいので、私たちはそのサポートのために青写真を描くなど、必要とされるあらゆることを行っています。

 

デジタルマーケティングなどを扱う新しい領域というのは、情報のアップデートも早いし、スコープも大きいのです。マーケティングだけをわかっていればいいというわけではなく、テクノロジーも理解しないといけないし、ビジネスコンプライアンスの担保も必要になります。いろいろと解決すべき課題も多く、私たちのような組織がチームとしてサポートしていかないと、当社のような規模の組織母体ではなかなか改革が進まないという問題が生じてしまいます。そういう意味で、人材やマーケティング・コミュニケーションにおける組織の変革を手助けしていく社内コンサルとも言える一面を持っています。

 

この COE は日本独自の組織です。プロジェクトとしては類似性のあるケースは海外でもありますが、組織として作り上げているのは日本が先行しています。

 

 

ヒューマン トゥ ヒューマンのコミュニケーションでカスタマーエクスペリエンスを改善

 

私たち COE 統合マーケティンググループという部署のミッションは、時代の変遷に合わせた顧客とのコミュニケーションの新しいやり方を模索し、組織にケイパビリティを植え付けていく、というものです。

 

顧客のニーズやテクノロジーの変化というさまざまな市場環境の変化があるなかで、顧客との最良のコミュニケーションを日々模索しています。

 

当社は製薬会社ですので、直接の顧客は医療従事者の方々になります。そういう意味では B to B のビジネスですが、薬を実際に服用される患者さんや患者家族に対しての疾患啓発の意味で情報発信を行っていますので、 B to C のビジネスであるとも言えます。要するに、いずれの場合においても情報を受け取るのはあくまでも “人” なんですよね。

 

つまり、 B to B 、 B to C という形で考えるのではなく、 H to H 、ヒューマン トゥ ヒューマンでコミュニケーションをとらえなければならないと考えるようになりました。

 

医薬品業界は製品自体の差別化要因が大きいためもともとプロダクトアウト志向が強くなりがちで、製品目線、ブランド目線でものごとを考えている部分がありました。しかし、顧客とのコミュニケーションを考えるには、顧客を中心に置いたカスタマーイン、顧客中心主義での考え方が必要になります。顧客自身を一人の人としてとらえ、顧客のニーズやプリファレンスを叶えていくというのが大切なのです。この “プロダクトアウト志向からカスタマーイン志向へ” というパラダイムシフトはとても大きなものです。

 

このパラダイムシフトには、デジタルが大きく影響を与えています。これまで、デジタルでのコミュニケーションを行う場合、その先にいる相手の顔がはっきり見えておらず、私たちの勝手な思い込みでコミュニケーションをしている部分があったかと思います。しかし、それはコミュニケーションとしてはリスクが高いものだったと言えます。

 

相手が見えないからこそ、相手が人であるという意識がないと、適切なメッセージを伝えることができません。自分に向けられたコンテンツやメッセージであれば、顧客は喜んでその情報を受け取ってくれますが、自分に向けられたものでなければ不要なゴミとして扱われてしまいます。顧客の欲しい情報やコンテンツを的確に発信し、カスタマーエクスペリエンスをより良いものにし、関係性を構築していく必要があるのです。

 

 

【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太①

【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太②

【事業会社による挑戦】 ファイザー(株) 金生 良太③

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