企業研究レポート:(株)インテグレート 赤坂幸正①

赤坂 幸正

(株)インテグレート

執行役員 兼 IMC2部マネージャー/シニアプロデューサー/プランナー

2016.03.02


企業研究レポート:(株)インテグレート 赤坂幸正①

 

株式会社インテグレート 赤坂 幸正

  (株)インテグレート 赤坂 幸正氏

 

Integrate Marketing Communication、統合型マーケティングの旗手として、複雑多様化したマーケティング領域で企業が抱える課題を解決していくプロフェッショナル企業である株式会社インテグレート。既存の戦略コンサルティング会社、広告代理店、PR会社の枠組みすら越えた独自の業態として、プランニングから実践までを一手に請け負っています。

 

同社において執行役員 兼 IMC2部マネージャーとして数々のコミュニケーション・デザインを手がけている赤坂幸正氏にインタビューを敢行し、コミュニケーション・デザインにおける同社ならではのビジョンをうかがいました。

 

 

日本のPRにイノベーションをもたらすのは、「パブリック リレーションズ発想」 のマーケティング

 

私たちインテグレートは、日本の“マーケティング”の発展に貢献していくために、企業のマーケティング課題に対してどう向き合っていくのか、その正解を絶えず追求し続けている会社です。事業の大枠は、IMC(統合型マーケティング)プランニングを専門的に実践するプランニングブティックとして、クライアント企業に最適なマーケティング戦略の策定やコミュニケーション・デザインをトータルに提供しています。

 

私自身はPR会社からキャリアをスタートし、マーケティングPRに関する仕事を長い間手がけてきました。その結果、今私が考えていることは、“パブリック リレーションズ発想のマーケティング”が必要だということです。つまり、マーケティングの中にパブリック リレーションズ発想を取り入れた方がいいということ。日本でPRというと、いかにメディアに取り上げられるかが重視されてきました。しかし、PR、つまり「パブリック リレーションズ」とは、単なる情報露出ではありません。さまざまなステークホルダーと長期的に関係を結び、相手の立場に立って情報を伝播させていくことが重要なのです。そして、伝播させたいストーリーが消費者のインサイト、メディアのインサイトに刺さっているのかを検証し、それに沿ったシナリオやコンテンツを作り上げていくことこそを目指して日々取り組んでいます。

 

 

コモディティ化された時代において、商品設計の段階から問われるパブリック リレーションズの発想

 

マーケティングにはよく知られているところの 、「Product(製品)」「Price(価格)」「Promotion(プロモーション)」「Place(流通)」からなる4Pや、マーケティングミックスという考え方などがあります。それぞれの製品は、本来であれば社会的な価値を持っていて、お客様により便益を提供するために製品化されているのですが、この低成長時代の中で、それぞれの製品はコモディティ化されてしまい、各製品の有意差が非常に曖昧となっています。

 

一般の消費者は、実は自分が実際にほしい物が明確にわかっているわけではなく、社会背景や経済状態の中で感じている世間の空気や、SNSやクチコミなどで頻繁に目にするといった、世の中の雰囲気や生活実感の中で、明確な意思ではなくなんとなく「これを買おう」と感じて消費行動を行っています。そういう時代に必要なコミュニケーションとは、PR視点を持って消費者のマインドを計算しながら、マーケティングに基づくコミュニケーションをプランニングし、商品設計していくことが不可欠です。そうなるとPR視点に基づき消費者インサイトを探りながら商品設計していくことで、市場創造に繋がっていく時代になったということだと思います。

 

 

(株)ウィンスリー代表 黒瀬が聞く、インテグレートの独自性とは?

 

黒瀬:インテグレートが目指す、『PR会社の理想』 とはなんですか?

 

赤坂:インテグレートはPR会社ではないんですよね(笑)。本音で言うと、PR会社に転職してくるつもりでインテグレートに転職してほしくはないと思っています。

 

PRの指標はこれまでメディア露出数やネットワーク構築で図られてきた流れがありますが、課題解決に直結した現場レベルでの改善感度をもったコミュニケーション・デザインができる人間がうちには必要なんです。その改善感度をもったコンサルティング業務こそPR、ということです。

 

黒瀬:インテグレートが競合他社と異なるところ、独自性、強みは何でしょうか?

 

赤坂:現場レベルでの改善感度を持ったコミュニケーション・デザイン力を持ち、メソッド・メディアニュートラルという形で、どの職種、どの工程においても預かる現場の改善をコンサルテーションできるのがインテグレートです。だからこそすべての工程で優秀でなくとも、自己が預かる現場のプロたちが集うことが他社にできない我々の強みと言えます。

 

黒瀬:なるほど。ではそれらをダイレクトに感じることのできる、御社が手掛けた事例を幾つかご紹介いただけますか?

 

赤坂:そうですね。最近、イベントとしてカフェを手がけた事例が何件かあります。

 

まず、2014年の10月に森永乳業のとろけるプリン「カフェマリアージュ」という商品のイベントで、人形が壁ドンをしてくれる「壁ドンカフェ」を行いました。メディアインサイト、ソーシャルインサイトから女性が持つ“壁ドンされたい”という消費者インサイトを探り当て、マスメディアとソーシャルメディアを通じて情報を拡散させることができました。ブランドの世界観、商品特性を体現する新しいタイプのサンプリングの仕掛けができました。当時まだ “壁ドン” というワードがここまで流行っていない時です。

 

・森永乳業「とろける! 壁ドンカフェ」
ある意味ドキッ!「壁ドン」が体験できる「壁ドンカフェ」が話題に! – RBB Today
http://www.rbbtoday.com/article/2014/10/09/124284.html

壁ドンは1日にしてならず――「壁ドンカフェ」でイケメン(人形)に壁ドンされてきたよ! – ねとらぼ – ITmedia
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1410/14/news153.html

 

赤坂:次に、「マンガ肉カフェ」です。2015年8月29日の焼肉の日に合わせて、エバラの「黄金の味」(焼肉のたれ)のキャンペーンで、家で“黄金マンガ肉”を作ろうというキャンペーンを企画・実施しました。あのマンガなどでよく見る原始的スタイルの骨付き塊肉のことです。同商品は“焼き肉のたれ”という点である程度クリティカル・マスを迎えており、次なる施策が必要とされていました。家で黄金のたれを漬け込んだ鶏肉の手羽に豚肉や牛肉を巻いてオーブンで焼けば“黄金マンガ肉”ができるというキャンペーンです。この一環で「黄金マンガ肉CAFE」というカフェを作りました。マンガ肉を家で作るという提案は、家庭での焼肉のシーンに新たな調理法の展開が拡がり、「黄金の味」の新たな顔を作ることができました。

・エバラ 黄金の味「黄金マンガ肉」キャンペーン 黄金マンガ肉CAFE
http://www.ebarafoods.com/sp/ougon_manganiku/

 

赤坂:さらに、2015年にはコイケヤのポテトチップス「頑固あげポテト」という商品で「頑固あげポテト屋」というコンセプトで、サンプリングイベントを行いました。これはタレントを起用し、ひたすら頑固なキャラで通してもらってお客さんが怒られるくらいの頑固おやじの店という世界観を描きました。そこから、来た人にコイケヤさんのこだわり感を感じてもらうことをねらいました。

 

この件ではサンプリングイベントと店頭コンセプトをお手伝いさせていただきました。SNSでも盛り上がりましたが、個人的には急上昇ワードになるなど、もっと上をいけたかなと思っています。しかし、最終的に店頭での販促にまできっちり落とし込み、貢献できて良かったなと感じています。

・コイケヤ 頑固あげポテト「頑固あげポテト屋」
11/9(月) 「頑固あげポテト屋 お披露目&二代目・釜田揚太郎襲名式」 開催
https://koikeya.co.jp/news/detail/663.html

 

赤坂:まず壁ドンカフェをやった時、イベント自体はバズったのですが、あまり店頭との連動ができておらず、店頭での商品の購買にはつながらなかったんですね。なので、その反省を活かしてマンガ肉カフェや頑固あげポテト屋では販促物やポップなどを店頭と連動して、購買につながるような施策を行いました。

 

黒瀬:一つのジョブの知見や反省点を次のジョブに活かし、ジョブをまたいでPDCAを回すことで会社のアセットにもなるし、エコシステムとも言えそうです。

 

 

<(株)ウィンスリー黒瀬のコメント>

 

露出重視のPR会社とは異なり、ストイックに本来のPRのコンサルソリューションを行ない、更に上流の「商品設計」までを切り込んでいるインテグレート社。

 

マーケティング全体を理解しているPRコンサルタントは中々お目にかかれません。

 

単なる露出だけを求めるなら、他のPR会社の方が価格競争があるのかもしれませんが、消費者を動かすという観点を持ち戦略的なソリューションを求めるならインテグレートにかなり分がありそうです。

 

画一的なソリューションのみを販売していくわけではありませんので、相当大変な分、かなり鍛えられ、市場価値は高い人材になれる職場と言えそうです。

 

 

企業研究レポート:(株)インテグレート 赤坂幸正①

企業研究レポート:(株)インテグレート 赤坂幸正②

プロフェッショナルの現場から (株)インテグレート 赤坂幸正

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