デジキャリ的クロストーク:インテグレート藤田康人 ×Win3黒瀬②

藤田 康人

(株)インテグレート

代表取締役CEO

2015.12.21


デジキャリ的クロストーク:インテグレート藤田康人 ×Win3黒瀬②

 

Integrate Marketing Communication、統合型マーケティングのプラニングを手がける仕掛け人集団、(株)インテグレートの代表取締役 CEOの藤田康人氏とウィンスリー代表・黒瀬との対談企画の後編です。

 

 

対談・後編

 

■黒瀬:ウィンスリーはデジタル・マーケティング業界に特化した人材紹介会社です。

 

「︎マーケティングで日本を強くしていく」とよく言っているんですが、「マーケティングで日本を強くしていく」「マーケティングで世界を変える」ことを実現するために必要なことは何だと考えますか?

 

■藤田:ひとつはイノベーションですよね、プロダクトで言うとiPhoneのようなものです。

 

マーケッターは消費者の中にある需要、インサイトを発見しなければいけないのですが、消費者自身、自分が本当に欲しいものがよくわかっていないんです。だから我々は彼らの中にあるインサイト、自分でもわかっていない欲望の本質を汲み取って、創造していかなければならない。

 

そうすることによって、iPhoneのような新しい製品が生まれ、新しい価値が生まれます。それが世界を変え、日本を強くしてていく。

 

この需要創造、価値創造というのがマーケティングが世界を変える瞬間であり、マーケッターにとっての一番の醍醐味だと思います。

 

 

(株)インテグレート 代表・藤田康人 × (株)ウィンスリー 代表・黒瀬雄一郎

  (株)インテグレート 代表・藤田康人 × (株)ウィンスリー 代表・黒瀬雄一郎

 

■黒瀬:なるほど、人々のインサイトを汲み取って、新しい需要を創造していくには、やはりセンスが必要なんでしょうか? ビッグデータを解析していって出てくるようなものではないですよね?

 

■藤田:そこには、クリエイティブに近い発想が必要ですね。

 

ビッグデータの解析によって、ユーザーの行動パターン、行動メカニズムがわかり、業務の最適化ができますよね。ただ、これは顕在化している人間の行動パターンでしかないんです。

 

我々マーケッターは、まだ顕在化していないインサイトをくみとって、消費者がわかっていなかった新しい価値を作り出し、需要創造をしなければならないんですね。でも、その需要創造のベースには、思いつきや勘やセンスではなくて、データが必要です。

 

■黒瀬:きちんとしたデータがあって、それに基づいたストーリーを構築することによって、すぐれたプロダクトが完成し、需要が創造されるということですね。これは藤田さんがかつて手がけられたキシリトールがまさにそうだったのではないでしょうか。

 

■藤田:そうですね。理論上素晴らしいものであっても、そのデータにリアリティがなければビヘイビア(行動)は変わりません。

 

もうひとつ、データの裏付け以外に、キシリトールを成功させた大きなポイントは、我々が患者だけでなく、歯医者さん、厚生労働省といったステークホルダーを巻き込んだということです。我々は歯医者さんにキシリトールを勧めてもらうことによって“虫歯予防”という新たなビジネスを作りました。これまで“虫歯治療”のビジネスをしていた歯医者さんに、“虫歯予防”という新たなビジネスモデルを紹介したんです。つまり、消費者だけを見るのではなく、歯医者さんという、そのビジネスの中心にいる人を味方にするプランが必要なんですね。

 

また、この虫歯治療のマーケットにとって一番大きなステークホルダーで医療財源を管理する厚労省にも、「キシリトール導入によって虫歯が減れば医療費が減りますよ」と徹底的にネゴシエーションしました。そして、「キシリトールという新しい甘味料によって虫歯が減っています」というステートメントを出してもらったんです。

 

■黒瀬:まさに、自分たちだけでなく、さまざまなステークホルダーを巻き込んで、マーケティングの力で社会課題を解決していった、ということですね。しかも、患者、歯医者さん、厚労省、ステークホルダーそれぞれに、彼らなりの利益があるという…。

 

■藤田:僕らはこれを“マルチwin”と呼んでいます。

 

■黒瀬:まさにこの“マルチwin”という考え方が、これからの人材には必要になりますね。硬直した組織の中でも、各所に利益を与えられるようにうまく立ち回れる人間が活躍できるということだと思います。

 

■藤田:“マルチwin”を起こすために必要なのは、スキルではなくて“Will(意志)”なんです。強力な“Will”を持った人間じゃないと、やっていけない。“Will”と“クリエイティビティ”が大事です。

 

このインテグレートという会社でも、本当に“Will”を大事にしています。社員みなが、この国のマーケティングを変えられるのはインテグレートだけだと心から信じています。一つでも多くのマーケティング事例を積み重ねていって、マーケティングのイノベーションを起こしたいと思っています。

 

その何か一つでもいい、イノベーションを興すということが、マーケッターの醍醐味であり存在意義である、うちの社員はみんなそう思って仕事をしてくれています。

 

■黒瀬:インテグレートの社員の皆さんは、どういう人が多いんでしょうか。

 

■藤田:インテグレートは、“コンサルティング”、“プランニング”、“プロモーション”という3つのレイヤーで仕事をしています。最上流の“コンサルティング”だけをやるのではなく、中流のマーケティングプランニングもやります。さらに、プロモーションや広告を含むコンテンツの制作などのエグゼキューションもやります。このワンストップをやれる唯一の会社がインテグレートです。

 

ただ、この全部を一人でやれる人はいません。

 

コンサルが得意な人、プランニングが得意な人、エグゼキューションが得意な人、それぞれの強みがある。

 

かといって、コンサルティングが得意なんだけれども、それ以外がまったくわからないという人ではダメです。つまり、専門性を持ちながら、全体のスコープを意識できて、そこに興味を持てる人でないといけない。

 

■黒瀬:具体的にどういうバックグラウンドを持った方がいるんですか?

 

■藤田:デジタルに強い戦略コンサル、広告代理店、ストラテジック・プランナー、さまざまなバックグラウンドを持った人材がいます。

 

■黒瀬:最後に、これから日本のマーケティングを成長させていくために必要なことはなんでしょうか?

 

■藤田:人材育成ですね。日本の事業会社には、マーケッターとしての人材を育成するデザインがありません。

 

またもう一つ、これからはマーケティングすべてがデジタル化していきます。その時に、そのデータをどう利用するかが重要になります。意思決定する仕組みとしてはデータを活用することは必須なんです。意思決定の仕組みがない日本だからこそ、データというファクトによって責任分散して意思決定していく仕組みを作っていく必要が有ります。

 

エージェンシー側としては、たくさんの事例を手がけることによって、いろんなケースから成功のエッセンスを見つけ出して、マーケティングの成功の体系化をしなければいけません。日本が勝てるマーケティングモデルを、僕らが実験台として作っていかなければいけないと思っています。

 

 

デジキャリ的クロストーク:インテグレート藤田康人 ×Win3黒瀬①

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