プロフェッショナルの現場から 資生堂ジャパン② 吉本 健二氏

吉本 健二

資生堂ジャパン(株)

EC事業推進部

2018.12.13


プロフェッショナルの現場から 資生堂ジャパン② 吉本 健二氏

 

「プロフェッショナルの現場から」を前編として、資生堂ジャパン(株)のEC事業推進部長 徳丸 健太郎氏に部署の展望や期待する人物像についてお話をうかがいました。後編では、実際に同部署で活躍する吉本 健二氏に転職に至る経緯や現在までの実務について具体的にお聞きします。

 

  資生堂ジャパン(株) EC事業推進部 吉本 健二氏

リサーチャーから事業会社への転身!美容業界最大手でデータの全工程に関わる喜び

 

黒瀬:吉本さんは異業種からの転職とのことですが、今日に至るまでのキャリアを教えてください。

 

吉本:大学を卒業してからイギリスのランカスター大学院に行き、社会学を専攻しました。その後日本に戻って入社したIT市場専門のリサーチ会社では、携帯電話のシェアをリサーチしたり、IT関係のサービスについてのアンケート調査などを担当していました。リサーチ会社で経験を積むうちに、もっと事業に踏み込んだ仕事をしてみたいと考えるようになったのです。そこで前職のデジタルマーケティング企業に転職しました。そこでは主にデータ分析を担当し、企業に対してKPIを設定してアクセス解析のツールを導入してレポーティングをやっていくという業務や、制作チームのなかへ入って戦略の調査などを行っていました。

 

黒瀬:そこから美容の世界への転職に至るところが興味深いですね。資生堂を選ばれた理由はどういった点になるのでしょう。

 

吉本:データ分析というのは外からだと扱えるデータに限界があるというのと、データ分析から何かの提案をしたとしても実行するのはお客様の方だったりもするので、もどかしさを感じるようになりました。一気通貫で携われる事業会社で力を試してみたいという思いがありました。そんなとき、資生堂がデジタル分野の分析担当者を探している、という募集をしてたわけです。

 

黒瀬:吉本さんと会社の、タイミングが合ったということなのですね!では、現在の具体的な業務内容をお聞かせください。

 

吉本:現在はECプランニンググループというところに所属しています。主なタスクは5つあって、1.部署の全体計画の策定、2.データのマネージメントおよびデータを活用したマーケティング、3.Webサイトの運用とリニューアル、4. Amazonなど外部ECサイトの戦略や調整、5. ブランドが独自でやっているECサイトの支援、です。

 

またデータ関連では主として4つのタスクがあるのですが、一つ目がデータ収集でお客様のWebサイト内外での行動データを収集するという作業です。二つ目がその収集したデータをマネージメントすること。単純に生データのままでは使い物にならないので、まずデータを保管する大きな箱を用意して、その中で使える状態に前処理をしていく作業が欠かせません。三つ目が前処理したデータを分析してそこからユーザーのインサイトを見つけていきます。四つ目が、その分析した結果のインサイトに基づいてアクションをしていくというもの。アクションの部分で一番大きいのはEメールです。ユーザーの行動に基づき、興味関心を深く持ってもらえるようなメールを配信していきます。それ以外ではソーシャルメディアのターゲティングなども。

 

他はWebサイトコンテンツの出し分けです。たとえば “こういうお客様が来たらこういうようなメッセージをWebサイト上で出しましょう”というようなことですが、広告でもこれと同じようにお客様の状態に応じて出し分けていくということも行っています。

働きやすさに配慮された環境で、自己実現の自由な曲線を描く!

 

黒瀬:上流からデータに触れたいと思っていた吉本さんには、ぴったりのお仕事内容と言えそうですね。では、現在のお仕事での醍醐味とは?

 

吉本:はい(笑)。会員組織「花椿CLUB」とWeb「ワタシプラス」をはじめとして、大量のデータが揃っていることは非常に大きなやりがいを感じます。私たちはWebサイトだけでなく、店頭のPOSデータもすべて統合して保有していますので、Webだけに限定しないリアルな行動を含めたデータ分析が可能なのです。そしてそこからのアクションまで担えるということは、醍醐味と言ってよいでしょうね。

 

黒瀬:なるほど。では「資生堂」で働くということでの醍醐味をお聞かせいただけますか。

 

吉本:シャンプーひとつ取っても、美容への意識があがりました(笑)

 

また、働きやすさへの配慮はありがたいなと思います。私はこの会社に入社してから結婚し、子どもも生まれたのですが、なかなか保育園が見つからなくて苦労しました。ですので一年ほどの間、資生堂が運営している「カンガルーム」という事業所内保育施設に通えたのは助かりましたね。産休を取られる方も多いですし、女性にとってとても働きやすい環境だと思いますよ。

 

黒瀬:それは素敵なお話ですね。ワークライフバランスやダイバーシティなどの面で先進的に社会をリードしてきた資生堂さんならではのことですね。それではこの会社で望む、新たな目標や課題を持っておられましたら教えてください。

 

吉本:「パーソナライズ」にもうちょっと踏み込んでいきたいと思っています。お客様個々に合わせ、お客様が真に望んでいるメッセージを届けていくことにこだわりたい。私たちは “CRMはお客様との対話である” と考えています。お客様がWebサイトなどで何らかの行動を起こしたことに対して、こちらも何らかのメッセージで答えて行く、インタラクションを重視していきたいです。

 

現状の到達点で見ると、2016年頃からデータ周りの整備に取り組んできていて、ようやく今半分くらいまできたイメージですね。なので、2020年にはおおむね実装できている、と言えるようにしたいと考えています。

 

 

特定領域の専門性追求型から、他者と関わり合って課題解決を進める働き方へ

 

黒瀬:御社のEC事業部では、どんな人が活躍できるというイメージをお持ちでしょうか。

 

吉本:データ分析の領域でいうと、専門性は必要です。データ分析は幅が広いので、単純に統計学や機械学習がわかっていればいいというわけではありません。データのインフラ、エンジニアリングとかいう部分もけっこう重要なんですね。あともっとも重要なのはビジネス感度です。マーケティングデータの分析結果を用いて、データをどう活かしてビジネスにつなげるのか?ということを考え抜くことが重要です。ビジネスとエンジニアリング、統計学/機械学習の知識という3つをバランス良く持ってる、そういう人に来て欲しいなと思います。

 

黒瀬:部署の雰囲気はどうですか?

 

吉本:そうですね。活気がありますよ。

 

黒瀬:6年前の34歳の時に前職より資生堂に転職されていますが、その選択をしない現在があったとして、仮にパラレルで走ってきた場合、今どんな違いが想像できますか?

 

吉本:コンサル側に居た方が特定領域においては詳しくなっただろうと思います。当時はアクセス解析がメインでしたので、デジタルマーケティングの特定領域の専門性は高くなったでしょうね。

ですが単純に外から分析するだけでなく、そこからアクションにつなげていく、他の部署も巻き込んでアクションを起こすというところは、この会社に入ってからの方が身に付いたと思います。

 

黒瀬:ありがとうございました。転職を検討する方にとって、非常に具体的にイメージができるお話でした。

 

 

プロフェッショナルの現場から 資生堂ジャパン① 徳丸 健太郎氏

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