リーダーズ・プロファイル:Case 03 デジタル マーケッター 緒方 恵 氏 (2) 20代を完全燃焼しきって「仕事をした」と言える経験が、今の、これからの自分に力を付与していく

リーダーズ・プロファイル:Case 03 デジタル マーケッター 緒方 恵 氏
(1) ネットの力で衰退を防止し、店舗の強みを活かして反撃できる。「ネットでもっと面白く」を追求
(2) 20代を完全燃焼しきって「仕事をした」と言える経験が、今の、これからの自分に力を付与していく
 
 

2016 年 5 月に東急ハンズを退職され、現在次なる新天地を模索中だというデジタルマーケッター、緒方 恵 氏。インタビュー後半では、自身が積み重ねてきたキャリアに対して考えること、若い転職志望者へのメッセージなどをいただきました。

 

人生を変えた Web + 上司との出会い。運と縁を活かして、新たな波に乗ったことでWeb の面白みを実感できた

デジタル マーケッター 緒方 恵 氏実は、もともとインターネットや Web にはまったく詳しくなかったんです。ネットストアの運営をするようになってから、初めて興味を持つようになりました。なかでも面白さを実感したのは、東急ハンズの公式アカウントを通じてツイッターなどの SNS に触れてからですね。ツイッターを始めたことで、まったく会ったこともないお客様ともツイッターで会話をすることが可能になりました。それまでは 「お買い上げありがとうございます」 という言葉をリアルタイムで伝えるには、店舗でお客様を前にしなければ言えなかったわけですが、ツイッターなどを介せば、本社のデスクからもお客様にお礼を言うこともできる。これは、それまでの常識を覆す、すごいことですよね。

ネットストアの担当に異動になったこともそうなのですが、通販事業部で、ある上司に出会ったことも人生に大きな影響がありました。彼はコンサルファームから転職してきた人物なのですが、いい意味で会社の常識に捉われることなく、本質を突き続ける人でした。また、私が 「これをやってみたい」 と提案すると、トライ & エラーを前提にしながらいろいろ試させてくれましたし、権限移譲もしてくれました。彼と出会ったことで、より Web の可能性や仕事の面白みを実感できたのだと思います。

 

自分のテーマは “ネットとリアルのシームレスな連携” 。業種・業態よりも、いかに「ネットの力でリアルな生活を楽しくできるか」がカギ

今は、東急ハンズを退職して、転職活動を行っているところ (※ 7 月 11 日現在) 。東急ハンズでの経験を経て、 “ネットとリアルのシームレスな連携” というテーマに出会いました。もっとこの道を追求していきたいと思っていて、今は、そのテーマを実現できる企業を探して、いろいろな会社の人とお話させていただいているところです。事業会社、エージェンシー、コンサルティングファームなど、多岐に渡ります。

これからの未来は、ネットの力を使うことで、リアルな生活がより楽しくなり、より便利になるはずです。今は過渡期だということもありみんながみんな試行錯誤中ですが、過渡期であればこそ、モチベーションや瞬発力がその成功には大きく作用します。モチベーションや瞬発力には自信があります。好奇心をドライブに、自分のテンションが上がるような、ネットの力でリアルな世界にイノベーションを起こしていけるところで仕事をしていきたいと考えています。

 

20 代はまず今の仕事を一生懸命やってみる。そうすれば自分の武器が身について、市場価値もついてくる

デジタル マーケッター 緒方 恵 氏

私も今転職活動中ですが、転職活動を考えている 20 代の方々へアドバイスをするならば、とにかく、四の五の言わずにまずは今の仕事を一生懸命やって成果を出してみてください、ということに尽きます。一生懸命やって成果を出さないと、自分の特性なんて 20 代そこそこで理解できるほど浅くないはずです。魂を削って仕事をした経験というものは、絶対的に何か得るものがありますよ。そもそもが自分が選んで入社した会社で、お金をもらいながら修行ができるなんて、実はかなりありがたいことですよね。まずは今やっている仕事を超頑張ってみて!と言いたいですね。

ただ、気をつけなければならないのは、自分が担当しているのがその会社内でしか通用しないような業務であれば、ずっとその会社にいるつもりである場合を除いてその仕事を掘り下げてもあまり意味が無くなる場合もあります。がむしゃらに頑張って自分自身に成功という経験をプレゼントできたあとは、次のステップとして、どこの企業でも通用するスキルを身につけるように動くことです。自分がどういうキャリアを積みたいかを意識しながら、次に何が必要かを意識して、武器を可視化していくということですね。 20 代で一生懸命やっていれば、 徐々になにがやりたいのか、突き詰めたいのかがわかってくるはず。そして、 30 代になればなんらかの権限もついてくるし、自分の武器が身についてくるはずです。

まあ、あと一つアドバイスするならば、転職先を決めずに会社を辞めて転職活動をするのはしんどいですよ、ということですかね (笑) 。とはいえ、人生で初めてのフリーな時間だったので、じっくり勉強したり、個人で仕事をしたりという経験ができたことは、自分の今後の人生において結構大事なものになりそうな気はしています。しんどいですけど (笑) 。

 

社外の人と勉強会を重ねたことで、新たな人脈、新たな視野が生まれる

デジタル マーケッター 緒方 恵 氏また、20代のうちは自分の仕事を頑張りつつも、視野を広げるというのは大事だと思いますね。異業種交流会や同業他社との勉強会、意見交換会などに参加して、いろんな人と交流した方がよいと思います。

私は、 SNS アカウントの運用を始めたあたりから、同業他社との勉強会や意見交換会に行ったり、主催したりしていたんですね。 SNS 運用などは特に、社内で同じ業務をやっているチームは基本的にはいないので、相談できるのが他社で同じような課題を抱えているデジタル領域の担当者たちなんです。そういう人たちとつながって話をすることで、事例の勉強や自社の新たな課題や強み・弱みが見えてきたりするんです。ソーシャルメディアの勉強会やネットストア運用勉強会、グーグル アナリティクスの勉強会などを行っていました。

そうやっていろいろな外部の人と話している間に、講演依頼やセミナーの登壇依頼が来て、仲間内でしていた話を外でする機会も増えてきました。それが結果として、更なる強力な仲間との出会いや東急ハンズの PR にも繋がったと思います。

私が講演時に気をつけていることが 3 つあります。
一つは、最初に必ずつかみをいれ、聞き手をリラックスさせること。
二つめは、伝えたいメッセージはシンプルにまとめて、講演の最後にしっかりと繰り返し丁寧に伝えること。
三つめは、 1 スライド目をしゃべったら、そこに少しのつっこみどころを残しておくこと。そして、そのつっこみどころを次のスライドで解説する、という流れで、聞いている人の関心がなるべく離れないようにすること。
もともと話をすることは好きなのですが、場数を踏むうちに、 「MarkeZineDay」 において 2 回連続でベストスピーカーとなるなど、実力もついてきました。こうやって一つひとつの仕事に取り組むうちに、新たな武器が身についてくるということなのかなと思ってます。

というわけで、仕事は今やっている事にとにかく没入・集中しながら、外に対して視野を広く持つ、という相反する二つをしっかりグリップしてがんばってください、というのが、私からのアドバイスです。

※この取材は 7 月 11 日に実施しています。
 
 
リーダーズ・プロファイル:Case 03 デジタル マーケッター 緒方 恵 氏
(1) ネットの力で衰退を防止し、店舗の強みを活かして反撃できる。「ネットでもっと面白く」を追求
(2) 20代を完全燃焼しきって「仕事をした」と言える経験が、今の、これからの自分に力を付与していく