根本的なビジネス慣習の相違から、欧米型とは異なる流れを汲む日本における 『コンサルティングファーム VS 広告エージェンシー』 の図式 (2)

消費者の生活にデジタルが浸透した現在、デジタルマーケティングが企業経営にとって欠かせない重要な要素となり、各企業はデジタルによってビジネスモデルやビジネスプロセスを変革していく ※“デジタルトランスフォーメーション” を強いられています。

※デジタルトランスフォーメーションとは…IT技術を浸透させ、組織活動や人々の生活をデジタルの力でより良い方向に変革していくこと

そんな状況の中で近年、米国を中心に盛んになっているコンサルティングファームによるエージェンシー買収事情の動き。コンサルティングファームがデジタルエージェンシーやクリエーティブエージェンシーを買収し、デジタルマーケティング分野に進出しているという状況については、前回ご紹介したとおり。

それは極めて自然な成り行きだった…!? コンサルティングファームによるエージェンシー買収事情とは (1)

第二回となる本稿では、日本のコンサルティングファームにおけるデジタル分野、マーケティング分野への進出状況、コンサルティングファームとエージェンシーの関係性などについて、お伝えしていきます。

日本国内のコンサルファーム系のデジタルエージェンシーが提供するサービスとは?

ここで、アビームコンサルティング株式会社 (以下アビーム)アクセンチュア株式会社 (以下アクセンチュア)日本アイ・ビー・エム株式会社 (以下IBM)デロイト トーマツ コンサルティング (以下デロイト) といった日本のコンサルファームの状況を見てみましょう。

アビームコンサルティング

日本発のグローバルコンサルティングファーム、アビームは、 2016 年 1 月に企業マーケティング部門のデジタル化を統合的に支援する 「マーケティング BPR ソリューション」 の提供を開始しました。マーケティング部門がデジタル化を推進する際のファシリテーター役として、他部署を巻き込みデジタルマーケティングを推進していく、企業のデジタルシフト支援を行っています。

アクセンチュア

2016 年 4 月 6 日、アクセンチュアが、株式会社アイ・エム・ジェイ (以下 IMJ )株式の過半数を取得することで合意したと発表しました。アクセンチュアは企業のデジタルマーケティング戦略に取り組みデジタルトランスフォーメーションを支援する組織 「アクセンチュア インタラクティブ」 を立ち上げており、 IMJ の買収により、このアクセンチュア インタラクティブの国内市場に向けたサービス強化が目されています。

IBM 、デロイト

IBM では、 2015 年 1 月に 「 IBM インタラクティブ・エクスペリエンス」 という組織を、デロイトでは 2013 年 7 月に 「デロイトデジタル」 という組織をそれぞれ立ち上げ、デジタル領域でのコンサルティングサービスを行っています。
これらの会社が行うのは、物流戦略からチャネル戦略といった経営レベルの戦略策定から、大規模なデジタルトランスフォーメーションに関する戦略策定がメイン。クライアントの全体戦略をクリエーティブ、テクノロジーで支えています。
コンサルティングファームが企業のマーケティング支援を行う場合、その意図するところは 「市場を創造し、チャネル戦略を立案し、コミュニケーション設計を行って利益を獲得する」 という経済活動全体を示します。

コンサルティングファーム系のデジタルエージェンシーが提供するサービスは、やはり会社の全体戦略に関わるデジタルトランスフォーメーション支援などが多いようです。米国と違い、企業のデジタルシフトがまだ途上にある日本では、まず経営のデジタルシフト、デジタルトランスフォーメーションが必須。デジタルを取り入れた経営デザインを行うために、コンサルティングファーム系のデジタルエージェンシーが必要とされているという現状があります。

 

迎え撃つ広告代理店。コンサルファームとは違うレイヤーでクライアントのデジタルマーケティングを支援

コンサルファームがデジタルエージェンシー部門を立ち上げる現状に対し、日本の広告代理店もデジタル戦略を推進しています。電通は、 2016 年 7 月 1 日に電通本体内のデジタルマーケティングセンター ( DMC ) 、デジタルマーケティングを手がける電通子会社の電通イーマーケティングワン、ネクステッジ電通の三社を合流させ、新会社 電通デジタル「電通デジタル」 を発足させることを発表しています。また博報堂 DY メディアパートナーズも 2016 年 4 月 1 日に、博報堂 DY メディアパートナーズの中でデジタル広告を扱ってきた 「 i- メディア局」 と、 「株式会社博報堂 DY インターソリューションズ」 が合流した新会社 「株式会社博報堂 DY デジタル」 を設立しています。いずれも本体の中にあったデジタル部門と先に設立されていたデジタル系の子会社を統合し、広告会社としてデジタルマーケティング戦略の上流から下流までを提供していく姿勢を見せています。

電通デジタル、博報堂 DY デジタルの戦略を見ると、彼らが志向しているのはやはり “マーケティングコミュニケーション” におけるデジタルシフト支援のビジネスと言えます。デジタルマーケティングの戦略策定から実行、運用、改善といった上流から下流までを提供していくという彼らのビジネスは、コンサルティングファームのデジタルトランスフォーメーション支援のビジネスとは、そのレイヤーが異なっています。

 

結論は数年後に持ち越しか?日本式のビジネス慣習に沿うすみ分けがなされていく

コンサルティングファームによるエージェンシー買収という世界的潮流について述べてきましたが、日本ではまだその流れは顕在化していません。経営の上流においてデジタルトランスフォーメーション支援を行うコンサルティングファーム、 マーケティングコミュニケーションにおいてデジタルシフト支援を行う広告代理店では、競合関係ではなく、違うレイヤーでクライアントのデジタル化を支援していると言えるでしょう。つまり、日本においてはコンサルティングファームのエージェンシー化は見られず、協業関係としてすみ分けがなされていくということです。

今後、デジタルマーケティングを理解し、クライアントのビジネスを推進していける能力を持った人材にとっては、広告代理店、デジタル系エージェンシー、コンサルティングファームとキャリアの幅が広がっていくことは間違いありません。コンサルティングファームからの求人も、さらに増えてくることも予想されます。マーケティング領域から経営領域まで、幅広い視野を持ってビジネスに関わることで、キャリアの可能性も広がっていきそうです。

デジキャリ

 

キャリア相談&お問い合わせフォーム

広告デジタルマーケティング専門人材会社ウィンスリーは、若手の優秀な経験者様のキャリア相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

■ お名前 (必須)

■ メールアドレス (必須)

■ 生年月日 (必須)

■ 電話番号 (必須)

■ お勤め先

■ 問い合わせ内容
 キャリア相談 案件の仔細を知りたい 求人を紹介して欲しい その他

■ 相談内容、応募したい案件・企業名などを記載下さい

広告デジタルマーケティング専門人材会社ウィンスリー