それは極めて自然な成り行きだった…!? コンサルティングファームによるエージェンシー買収事情とは (1)

先だってのアクセンチュアによるIMJ買収というニュースが業界を騒然とさせて近しい中、このところ、米国ではコンサルティングファームがデジタルエージェンシーを買収する動きが活発になってきています。数年前から社内にエージェンシー機能を持つ部署を新設する総合コンサルティングファームが増加傾向にありましたが、ここ 1 〜 2 年は、デジタルエージェンシーやクリエーティブエージェンシーを買収して、その機能を取り込み、広告・マーケティング市場に本格的に参入を始めています。

デジキャリでは、こうした動きの背景や日本市場においても同様の方向に向かうのか?などについて2回にわたりレポートしていきます。

IBM をはじめとする大手有力コンサルが、エージェンシーを飲み込む覇権図

まず、アメリカにおける名門コンサルの最近の買収傾向について解説します。
IBM は約 20 年前から社内に IBM Interactive Experience: IBM iX というデジタルエージェンシー業部門を設置していました。この IBM iX のスタッフ数は、グローバルで約 1 万人にのぼります。IBM iX は 2016 年 2 月に米国のマーケティング・クリエイティブエージェンシーである Resource/Ammirati と、ドイツのマーケティング・デジタルエージェンシーのアペルト、同じくドイツの ecx.io を次々と買収しました。

2012年にデロイトデジタルというデジタルコンサルティングサービスの専門組織を立ち上げたのは、米デロイト トウシュ トーマツ 。現在は世界中に 17 のクリエーティブスタジオを展開し、世界で約4,000 名のスタッフを抱えています。他に、 UbermindFlow InteractiveMobiento など次々と複数のデジタルエージェンシーを買収。さらに2016 年 2 月にも米・クリエーティブエージェンシーのヒートを買収するなど、積極的な投資傾向が見えます。

同じく米国発名門の PwC (プライスウォーターハウスクーパース) は、デジタルサービスというエージェンシーを傘下に抱えています。このデジタルサービスは世界に31の拠点を持ち、約3000人のスタッフを抱えています。2013 年 11 月にはクリエイティブエージェンシーの BGT パートナーズの買収を完了しました。

アクセンチュアも、子会社のアクセンチュア・デジタル傘下にアクセンチュア・インタラクティブというエージェンシーを創設し、数々のエージェンシーを買収しています。この 4 月 5 日にアクセンチュアの日本法人がデジタルマーケティング企業、IMJの子会社化を発表したのも、記憶に新しいところです。

継続的事業成長に不可欠となったデジタルマーケティング。組織基盤やツールなど膨らみ続ける投資コスト

このコンサルティングファームによるエージェンシー買収の背景にあるのは、デジタルマーケティング業界の急成長ぶりが挙げられます。調査会社のガートナーは 4 年前、2017 年には大手企業の CMO ( Chief Marketing Officer = 最高マーケティング責任者) の使う IT 予算が CIO ( Chief Information 0fficer = 最高情報責任者) の予算を超えるという予測を発表しています。

消費社会の成熟や多彩なマーケティング手法の浸透によって、現代において継続的な事業成長を果たしていくために、デジタルマーケティングは企業活動と非常に密接なものとなりました。目まぐるしく進化をし続けるこの領域において遅れを取ることが、経営にも影響すると言える時代です。また、CRM 、 DMP 、 MA などのツールは必須のものとなり、それらのツールの導入や新しいアドテクノロジーなどへの投資も欠くことができません。さらに導入と推進においては分断された組織において、シームレスな意思決定と統率をしていく基盤づくりも必須であり、CMOを含めたデジタルマーケティングの実行のための予算は年々膨らむ一方なのです。

データを分析して PDCA を重ねる、コンサルティングファームの手法はデジタルマーケそのもの

クライアントの抱える課題を解決し改善していくため、提言、戦略立案、実行まで一貫して支援するというのが、コンサルティングファームの持つ機能です。 コンサルティングファームの中には、IT 分野の導入支援などのサービスを提供している企業も多く、 IT 、デジタルなどに関する知見を既に有しています。

さらに言えば、クライアントの目標達成のために改善計画や実行計画を策定して実行していくコンサルティングファームという業態は、デジタルマーケティングの業務ととても親和性が高いもの言えます。データを分析し、 KPI を重視し、 PDCA を回して改善を重ねていくデジタルマーケティングは、コンサルティングファームの仕事をそのままデジタル分野のみに特化して濃縮したようなものなのです。そういった意味でコンサルティングファームがデジタルエージェンシーを傘下に収めていくのは、当然の流れと言えます。

スピーディーに対応するために合理的な体制を追求した結果の買収事情

さらに DMP などの顧客管理システムやツールなどがマーケティングにとって不可欠となった現在は、 IT 、マーケティング、広告などの各分野の境界はだんだん曖昧になってきて、それらが統合されてきています。現在のデジタル広告においては、属性や行動履歴などによって提供するコンテンツを変更したり、ユーザーの動向を見て編成やコンテンツ、クリエーティブを改善していくことが求められます。こうした試みをスピーディーに実行するには、デジタルエージェンシーとしてマーケティング機能とクリエーティブ機能を併せ持つことが必要となるのです。

コンサル分野からデジタルマーケティング分野に進出してきたコンサルティングファームにおいては、その施策のスピーディーな実行のため、傘下にデジタルエージェンシー、クリエーティブエージェンシーを抱えることは、ごく合理的な選択と言えるでしょう。

 

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